
「脂肪」も「脂質」も「油脂」も「コレステロール」も、一言でいえば「アブラ」ですよね。
しかしこの4つ、何がどう違うのでしょうか?
厳密な違いはあるのでしょうか?
この記事では、多すぎても少なすぎても困る4種類のアブラについてまとめました。
脂肪とは?
脂肪は、3大栄養素(脂肪・糖質・タンパク質)の一つです。
栄養学では「脂質」と呼ぶこともあります。
動物の脂肪はコレステロールや中性脂肪(トリグリセリド)を多く含みますが、植物由来の脂肪はコレステロールを含みません。
ちなみに、人の体につく「脂肪」は、「内臓脂肪」と「皮下脂肪」に分けられます。
内臓脂肪は内蔵まわりにつくもので、通常つまむことはできません。
一方、皮下脂肪は腹まわりなどにつきやすく、皮膚の上からつまむことができます。
脂質とは?
脂質は、中性脂肪・リン脂質(細胞膜の成分)・コレステロールなどの総称です。
前述のように、栄養学では脂肪と同じ意味で使われます。
水に溶けにくく、有機溶媒(ベンゼンやクロロホルムなど)に溶けやすいのが特徴です。
油脂とは?
油脂は、脂肪酸(中性脂肪に含まれる成分)や中性脂肪のことです。
常温で液体のものを「油(サラダ油・ゴマ油など)」、常温で固体のものを「脂(牛脂など)」と使い分けることもあります。
コレステロールとは?
コレステロールは、人の体の中にある脂質の一種です。
細胞膜やホルモン、胆汁酸などをつくる材料で、体に欠かせないものです。
コレステロールには「善玉」と「悪玉」がありますが、両者のバランスが崩れ、血液中のコレステロールが多くなりすぎると「脂質異常症」と診断されます。
脂肪・脂質・油脂・コレステロールの違い
脂肪は3大栄養素の一つで、脂質と呼ばれることもあります。
油脂は、中性脂肪とほぼ同じ意味で使われることがあります。
そして、コレステロールは人の体の中にある脂質の一種です。
脂質は、中性脂肪・リン脂質・コレステロールなどの総称なので、「脂肪≒脂質≫油脂・コレステロール」ということになります。
まとめ
- 脂肪は、3大栄養素の一つ。栄養学では脂質と呼ばれることもある。
- 脂質は、中性脂肪・リン脂質・コレステロールなどの総称。栄養学では脂肪と同義。
- 油脂は、脂肪酸や中性脂肪のこと。
- コレステロールは、人体にある脂質の一種。
「油脂」や「コレステロール」は使う場面が限られているので、迷ったらとりあえず「脂肪」か「脂質」を使うようにしましょう。