
SNSなどでだれもが気軽に情報発信できるようになりましたが、その発言が他人を傷つけ、時には死に追いやることもあります。
もちろん、多くの人はマナーを守り、人を傷つけないように注意していますが、してはいけないとされる「誹謗中傷」と正当な「批判」の線引きは難しいものです。
そこでこの記事では、他人だけではなく自分を守るためにも知っておきたい「誹謗中傷」と「批判」の違いについてまとめました。
誹謗中傷とは?
「誹謗中傷」のうち、「誹謗」は「そしること・悪口を言うこと」です。
そして「中傷」は「根拠のないことをいって、人の名誉を傷つけること」です。
つまり「誹謗中傷」とは、「根拠のない悪口で人の名誉を傷つけること」という意味になります。
また、誹謗中傷は一方的な悪口であるケースが多く、相手に具体的な改善策などを求めていることはほとんどありません。
批判とは?
「批判」は、「根拠を以て物事の良し悪しを指摘し、評価・判定すること」です。
批判は誹謗中傷とは異なり、根拠に基づく正当な意見ということになりますね。
さらに批判は、一方的に意見を述べるだけではなく、対象者に何らかを改善や対応を求める目的でなされるのが特徴です。
誹謗中傷と批判の違い
簡単にいうと、誹謗中傷は「根拠のない悪口」です。
一方、批判は「正当な意見」です。
そして、両者のもっとも大きな違いは「根拠の有無」です。
では、「根拠のある悪口」は、どうなるのでしょうか。
思うに、たとえ根拠があっても、相手を貶める目的で発せられた言葉あれば「誹謗中傷」と同じでしょう。
根拠に基づいて情報発信するだけではなく、何らかの改善・対応を求めるのでなければ「批判」とはいえません。
このように、「根拠の有無」だけではなく、「言動に対する何らかの改善・対応を求める目的」という観点も含めて発言を見直せば、それが「誹謗中傷」と「批判」のいずれにあたるかが判断しやすくなります。
だからといって、芸能人などに対して「〇〇だから、やめてしまえ」などと発言するのは、批判とはいえません。
それは、〇〇の内容が事実であっても、単なる嫌がらせです。
求めるべきは、〇〇という事実に対する改善・対応と考えるべきでしょう。
まとめ
- 誹謗中傷とは、根拠のない悪口で他人の名誉を傷つけること。
- 批判とは、根拠に基づく評価・判定で、当該言動の改善を目的とするもの。
言葉は、使い方ひとつで人の生命・身体にも害をおよぼすおそれがあります。
情報発信する際にはクリックする前に一呼吸おいて、内容を見直すようにしましょう。
それが、他人だけではなく自分自身を守ることにもつながります。
※今回の記事内容は私見であり、法的根拠があるわけではありません。ご承知ください。